家電と言う概念 ― 2006/06/07 12:01:39
家電製品は現代人のとっては無くてはならないほど、生活に密着しており、また非常に便利で使いやすく(誰にでも使える)なっています。元々は単なる電化製品ですから、電源を入れるだけで後は特殊な操作や知識は必要ない代物でしたが、昨今は殆どの製品に程度や規模の差こそありますが、コンピュータが内臓されています。
家電用のコンピュータは人間が楽すると言う意味で作られた物の中でも、究極の製品と言えると思います。それまでは、温度設定・動作時間・水の量など、製品や用途でファクタは異なりますが、人間が好みや感覚で設定していた物を、凡その人間が満足出来る範囲ならば、コンピュータがこなしてくれます。
家庭用VTRに至っては、録画したい番組の設定はGコードを使えば、人間は録画可能なテープを事前にセットするだけで、面倒な操作は要りませんからね。(この機能は使った事ありません)
コンピュータは家電製品に組み込まれた事によって、特に意識することなく誰でも使える・・・と言う面を持っています。が、全てのコンピュータにこれが当てはまる事は無いのです。まあ、当たり前ともいえます。家電用のマイコンと、金融業で使われる汎用大型コンピュータとでは、用途もまた使うにあたって対象となるオペレータが異なります。専門知識や経験が無いと単なる電気を馬鹿食いする鉄の筐体になってしまいます。
UNIX系のサーバ機器も同じですね。とても一般向きではありませんし、誰もが使いこなせる代物であったら、SE屋さんは失業します。まあ、これもいずれはやってくる事態だとは思いますけどね。
ヨーロッパで起きた産業革命と同じで、それまで一生できると思っていた仕事が、機械にとって変わり、大量の失業者が出た。コンピュータも同じ事が何れは起こるでしょうし、そうでなければ何時までたっても、便利な道具になはならないのです。
パーソナルコンピュータと言うものが普及して、かれこれ10年近く経ちます。それまでは、一部のマニアや業務で使う特殊な機械だったものが、MacOSやWindowsに代表される使いやすいOSが登場したことで、身近でそれなり便利な道具になりました。
しかし、まだ家電と言うレベルには達していません。誰でも使える、と言う点では程遠いのです。OSメーカーやPCメーカ・ソフトメーカーは、家電になるべく物つくりをしているのか?実はこれって疑問です。
PCと言う固体である限り、家電にはならないのでは?むしろ、使用用途に応じてカスタマイズされた製品の方が、安定していて使いやすいのです。コンピュータゲーム機がその代表格ですね。
PCは汎用性という縛りがありますから、ある程度は融通を利かせながら、色々な事をこなす必要があります。これは家電と言う大枠では存在しない概念なのです。家電製品はエアコン・炊飯器・洗濯機、というそれぞれの仕事に応じた専用機なのです。
今後はPCがどのような進化を遂げるのかわかりませんが、PCである以上は家電と言う枠組みに入る事は、永久にないのかもしれません。
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